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「―――っは!」

 はぁはぁと荒い息を出しながらここが現実であることを知る。

 

時刻を確認するまでもない。

……もう少し寝かせてもらおうか。

芳樹(/rp>よしき)。あんたはいつまで寝てるつもり?」

……待ってくれよ。俺は眠いんだ。もう少し寝かせてくれたって良いだろう……?

「なに、寝ぼけたこと言ってんの。もう7時だから早く起きて学校行けっての」

……7時?だったらあと10分は寝れるじゃないか。だから、いいっしょ?

「あんまふざけてると蹴っ飛ばすぞてめぇ」

……ガバッと勢い良く起きる。が、時既に遅し。左のわき腹にめりっという音と衝撃が走る。

「―――っ……ってぇなぁ!何すんだよこの、クソば―――」

「あぁ?なんだって?」

眼から赤い光を放つ鬼と化したお袋(実際に出るわけじゃないけど)これは、やばいな。

「……なんでもねぇよ。んじゃ、学校いってくるわ」

『口を動かし尚かつ、手を休めないで動かす』

社会で役立ちそうな言葉だ。と俺は自分の言葉に関心したいところだが、そういうわけにはいかない。遅刻ギリギリまで寝ていた俺が悪いんだしな。

 さっと着替え、すぐさまその勢いのまま自分の部屋を出て、リビングを通りそのまま階段を飛ぶように降りて、玄関を勢い良く開けて家を出た。

 家から約20分ほどの距離に桜坂と街の人が呼ぶ場所がある。その上は丘となっていて、そこにある学校を咲ノ社学園(さきのやしろがくえん) と呼ぶ。そこが、俺の通う学校だ。

 

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