誰もがわくわくし、灼熱の暑さの中で楽しみを抱くイベントがある7月末

 ……イベントってどんなイベントだっけ?喉まで出掛かっているんだけどなぁ。

スパンッ

 一瞬世界が白くなる。何だろう?と考えて……頭を叩かれたことに気づく。
 あれ?いつの間に寝てたんだっけ?
 辺りを見回すと、しんとした教室で自分一人が寝ていた。
 窓からはすでに暁に染まった太陽が辺りをオレンジへと染めてゆく。
 ……ん?あれぇ……おっかしいなぁ……
 そこで意識がだんだんと覚醒してゆく。
 んーーーーーと背伸びをする。さながら猫の仕草のように身体を逆ノ字にして背中を伸ばす。

 「(ひいらぎ)君、いつも寝てるけどさすがに放課後までってどうなの?」
 俺の机の前で手を腰に添えた女生徒が立っている。顔は細く小さく小柄だ。黒髪っていうのがまたこの女性を可愛く見せている。
「……んーーー、眠いからまた寝ていい?」
「だめに決まってんでしょうがっ!」
 バシッと頭を再び叩かれる。本当に目の前の景色が真っ白になるんだぜ?
「いい?柊くん、もう下校の時間なのよ?げ、こ、う、の時間!」
「そんな顔を前に突き出すなよ。っていうか、お前他の奴にもそんなことしてるのか?」
「えっ……いやっ、そんなのするわけないでしょっ」
 急に頬を淡く染め上げてぽかぽかと握りこぶしで頭を叩いてくる。
「いや、だからって、俺を殴らないでくれ」
「それはあなたが悪いんでしょっ!」
「わかったから。帰ろうぜ」
「う……うん。って柊くんが準備しないと私帰れないでしょっ!はやく準備するっ!」
「わかってるから……」
 ここではじめて疑問に思う。あれ?……君は……だれなんだっけ?
 彼女にそんな疑問のような表情を投げかけると彼女は優しく微笑みながら
「柊君、ここはね、夢なんだよ?」

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