緑のカーペットの上に、神様は寝転んでいた。

「あーあ。私のいったこと忘れてない?」

傍にある大きな本が言った。

「いいんじゃないかい?彼が元気になれば、花も元気になるんだしね」

庭師の少女は、目を瞑ったまま答えた。

「それにほら、今はまだ焦るコトないよ」

「はーい、わかりました」

少女は、笑顔で言った。

「でも、ほっといたら、花、ふたつも枯れちゃうよ?」

「大丈夫。それまでには間に合うよ。きっと」

庭師は大きな本を抱えて歩き出した。

 

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